2006年08月16日

主将と副将が大変なことになっています

 こんばんは、草薙です。

 今日練習が終わったあと、横山監督が佐野倉さんと綾音ちゃん、そして安達さんを監督室に呼んだ。
 その雰囲気がただ事じゃないような感じがしたので、私は育美と碧川さん、森井さんを誘って監督室の前で様子を伺うことにした。


「お前らは一体何をしているか分かっているのか?」
 いきなり監督の怒号が飛びます。
「別にやましいことをしているとは思いませんが。少なくても人を好きになることがいけないことだとは思っていません」
 佐野倉さんの声が聞こえてきました。意外にしっかりしています。
「黙れ! 俺も別に人を好きになることを否定はせんよ! だけど、お前らは自分達の立場を分かっているのか?」
 監督はなおも怒っています。でも何で?

「もしかしたら、あのことかな?」
 森井さんがちょっと考えてから私たちに聞こえるように呟いた。
「どういうこと?」
 碧川さんが森井さんに聞いた。
「うん、ほら、あたしもいたから分かるんだけど、あの3人って欧州遠征の代表じゃない?」
「そういえばそうだな」
 私も言われてみて思い出した。
「であの3人、結構よびっちゃんに可愛がられてたんだ。まあ恵壬はROOMMATESの主将としていろいろとアドバイスをしている仲だっだし、綾音は結局欧州遠征でまともにゲームに出してもらえなくてよびっちゃんに泣きついてた事もあったらしい。妙子も結構よびっちゃんには食事の事とかアドバイスを貰っていたみたいだし」
「そうなんだ…」
 育美が妙に納得した表情になった。
「よびっちゃんって、Woody BELL'Zでも確実に信者を増やしてて、どこかのチームとかには『バージンキラー』とか言われているらしいんだけど、でも呼びっちゃんって結構マメなところがあるから、免疫のない子なんかは結構コロッといくみたい」
 …そうなんだ、よびっちゃんって。
「Woody BELL'Zでもこの前何だか海に行った時にヒナと若菜が…」
 えっ、若菜って、あの若菜ちゃん?
「うん、2人が監督としちゃった、って…」
 ビックリしました。
 若菜ちゃんって結構芯の強い女の子だから、そんなことはないと思ってた。
 だから、まさか… という思いは強かった。
「で、うちの話に戻るんだけど、実は恵壬と綾音は可愛がられただけで済んだんだけど、その… 妙子が…」
「妙ちゃんがどうしたの?」
「妙子は、よびっちゃんと… しちゃった、って…」

 ちょっと、さすがにそれはヤバいんじゃないの?
 だって、ライバルチームの監督とスタッフがエッチしちゃったんでしょ?

 監督が怒る理由、よく分かります。
 私たちもどうやって収拾をつけようか、迷っています。
 一番いいのは、よびっちゃんを悪者にすることなんですけどね。

「でも、ボクよびっちゃんを責められないな…」
 育美がそう呟きました。
「ほら、ボク以前Woody BELL'Zの統合軍でよびっちゃんと一緒に仕事したし、オールスターでも一緒にしてたから分かるけど、よびっちゃんって他のチームの選手だろうと関係なく、きちんとしたアドバイスをしてくれるし、いい活躍をすればちゃんと褒めてくれる。当たり前の事を当たり前にしてくれるから、みんなついていくんだと思うんだ。その中で恋愛感情があっても仕方ないんじゃないかな、ってボクは思うんだ。まあボクはそんな資格ないと思っているんだけどね」
 そうなんだよね。よびっちゃんって、この前の合同合宿でも本当にうちの選手でも手取り足取り、それこそ自分達のチームの選手たちに接しているかのように懇切丁寧に教えてくれていた。うちの監督の方がちょっと情けないかな、って感じだった。

「私、合宿の時に北見監督と関係を持ってしまいました…」
 妙子がドアの向こうで、泣きながら告白しました。
「でもこれだけは信じて下さい! 私、北見監督の事が好きだから抱かれました。でも、だからといって自分達の事を北見監督に教えることはしませんし、北見監督もそれを全く望んでいません!」
 自分の言いたいことが言い終わったらしく、妙子はそこからはとにかく泣くじゃ来るだけ。
 次に言ったのは綾音でした。
「私も代表遠征で帰国した夜と合宿の最終日に北見監督に抱かれました。でも… 私は北見監督とセックスをしませんでした」
 綾音までそこまで言ってしまいますか…
「北見監督、今の自分の立場を言った上で、こう言いました。『大会が終わってからそれでも俺への気持ちが変わらないのなら、その時は想いを叶えてあげたい』と。北見監督だって分かっています。決してプライベートとオフィシャルを混同させてはいけないと」
 ちょっと間があいた。
「妙ちゃんも北見監督に言われたそうです。『俺は妙ちゃんと関係を持ってしまったけど、あくまでも俺はWoody BELL'Zの北見呼人、君はROOMMATESの安達妙子。俺から妙ちゃんにROOMMATESの情報を聞くことはしないし、俺もWoody BELL'Zを裏切る気はない。大会が終わるまでは互いに自分の立場をしっかりと守ってお互いに頑張っていこう。そして大会が終わってまだ俺の事が好きだったら、今度はひとりの男と女として付き合っていこう』って。北見監督は公の立場に私を持ち込む人じゃないのは横山監督も分かっていると思うんですが…」
 またしばらく間があきます。
「横山監督」
 今度は佐野倉さんの声です。
「私たちは北見監督の事が好きです。その気持ちはもう誤魔化しません。でも、だからと言ってWoody BELL'Z戦で手を抜くことはありません。北見監督が見ているからこそ、逆に私たちは手を抜けないのです。北見監督は確かに優しいところもありますが、逆に手を抜くことを嫌います。私たちが北見監督のために何かしようとしても、恐らく北見監督は怒るし、そういうことをした私たちを許さないと思うんです。確かに私たちも軽率なことがありました。でも、とにかく私たちのこれからの言動を見ていて下さい。それしか言えません」

「わかった…」
 横山監督がそう言いました。
「本当ならとんでもないことをしてくれたと思う。でも、そこまで言うのなら、1回だけ騙されることにする。次騙されたらもう俺はもう君たちを切るつもりだからな」
「ありがとうございます」
「俺に謝るなら、まずはドアの外で君たちの事を心配してくれているみんなに謝らなくちゃな」
 私がその言葉に振り返ると…
 いつの間にかみんな心配そうな表情で、監督室の前に集まってきました。

 そして監督室のドアが開けられました。


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posted by ROOMMATES at 23:14| Comment(0) | TrackBack(1) | 草薙  忍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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やはり凄いわね
Excerpt:  こんばんは、水無月よ。  今日から練習が再開されました。  私は八重さんと外国人の女と一緒に、球を入れさせないための練習をしました。  まあ運動神経のない私が一生懸命頑張っても仕方がないの..
Weblog: Woody BELL'Z Diary
Tracked: 2006-08-16 23:46
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